hoccolie

2021/11/06 21:00

極彩色でインパクトたっぷりな「ハナガサクラゲ」をモデルにした新作ができました。

ハナガサクラゲは、山形県の花笠まつりで使われる「花笠」に似ていることから名付けられた、とてもカラフルなクラゲです。


カラフルさでまず目がいくのは、先端が黄緑とピンクに色づいたたくさんの触手(蓋触手)ではないでしょうか。
この触手、カラフルなだけでなく、なんと光ります!
ハナガサクラゲは発光するクラゲで、触手の黄緑色のところが蛍光して輝くのです。
水族館でもブラックライトの下で展示され、美しい蛍光を見ることができます。
この触手からは、耐酸性で緑色の蛍光タンパク質Gamillusが開発されており、生命科学の分野においても活躍しているクラゲです。


傘に注目してみると、蛍光する触手は傘縁だけでなく傘上からも生えているのがわかります。
うねうねとした黒い筋(求心管)が伸びていて、黒い筋の付け根から蛍光する触手が生えているのです。
この様子をデフォルメして、傘には黄緑とピンクに着色したレジンの雫を乗せました。

傘上や触手先の黄緑色のレジンには蓄光塗料を混ぜ込んでいて、暗闇でぼんやり光ったり、ブラックライトを当てれば蛍光したりします。


傘の下をよく見ると、ぶら下がっているのは黄緑とピンクの触手だけではありません。
くるくる渦巻いて縮んだり、長く伸びたりする黄色い触手(傘縁触手)も生えています。
この黄色い触手も、細かく波打ったプラ板をひねって再現しました。

傘の内側には、淡いオレンジ色の生殖腺があります。
日本で採取されるハナガサクラゲは、生殖腺が4放射と6放射のものがいるそうですが、hoccolieでは6放射の生殖腺を再現しました。
ハナガサクラゲは夏によく採取・展示されるクラゲです。
お近くの水族館では何放射のハナガサクラゲが展示されているのか、注目してみるのも楽しいかもしれませんね。


カラフルなハナガサクラゲが、光をまとって耳元を泳ぎます。
眺めてほっこり、身につけて心踊る、hoccolieのクラゲです。